歯医者さんは、虫歯になったら通うものと思っている方も多いのではないでしょうか。
歯の健康を保つためには、治療前の詳しい検査と、治療後のケアが肝心です。
虫歯や歯周病の原因を正しく理解し、定期検診やクリーニングなどのメインテナンスを定期的に行うことで、
治療後の良好な状態を長くキープし、病気の再発を防ぎます。治療の悪い連鎖をなくすために、
あなたに合った予防歯科をスタートさせましょう。
虫歯や歯周病は細菌による感染症で、そのリスクは人によってさまざまです。リスク検査では虫歯菌数や歯周病菌数、唾液の量や性質、生活環境の中に潜むリスク因子などを詳しく調べ、虫歯、歯周病になるリスクを判断。患者様が無理なく続けられる一人ひとりに合った治療プランや予防プログラムをご提案します。
虫歯の原因はプラーク中の細菌ですので、虫歯予防には歯磨きが大切です。しかし、ほとんど歯磨きをしないのに虫歯が一本もない人、一生懸命歯磨きをしているのに虫歯ができてしまう人もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか?この差は「カイスの輪」で説明できます。
これらの3つの要素がそろうことで虫歯ができ、そろっている時間が長ければ長いほど虫歯は進行しやすいと考える事ができます。当院では、できるだけ詳しい問診と診査をする事で、患者様にあった虫歯予防方法を提案できるよう努めております。
歯磨きができていない | まずはブラッシングの練習、習慣化をがんばりましょう。 |
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歯磨きができている | このような方にブラッシング指導を行なっても、虫歯予防の効果はあがりません。食生活に問題はないか? リスク検査で唾液の量・質、細菌の量に問題はないか? 歯並びがわるい、詰め物・かぶせ物が合っていない等、清掃を邪魔しているものがないか? 口呼吸、歯ぎしり、食いしばりなど、虫歯のリスクをあげる癖はないか? 全身疾患やお薬の服用はないか?原因を追求することで患者様にあった効果的な予防方法を提案いたします。 (フッ素の利用・PMTC・食生活の改善・食育・シーラント・唾液分泌促進・口腔内環境の改善・被せもの・詰め物の変更、矯正治療) |
歯磨きができていない | 幸いリスク因子が少なく虫歯ができないのでしょう。しかし安心は禁物。生活習慣の変化、嗜好品の変化、お薬の服用等で、虫歯ができやすくなる事もあります。また、虫歯になりにくい方でも歯周病が進行している方が多くいます。ブラッシングの練習と習慣化で長く健康なお口を維持していきましょう。 |
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歯磨きができている | 最も優等生のグループ。私たちの出番は少ないかもしれませんが、お口のトラブルは虫歯だけではありません。歯周病や力によるトラブルも多くあります。定期的な検診で長く健康なお口を維持していきましょう。 |
時間をかけて付着してしまった歯の汚れや細菌のバイオフィルムは、ブラッシングでは落としきることができず、プロによる専門のクリーニングが有効です。PMTCは専用のツールで歯の表面に付いた汚れを除去し、ツルツルに磨きあげるケアです。虫歯菌や歯周病菌を減らすことで病気のリスクが減り、口臭予防にも効果があります。当院では3カ月~半年に1度のクリーニングをおすすめしています。歯本来のツルツルした感触を覚えていただき、毎日のブラッシングにもぜひ生かしてください。
アロマエッセンス配合ジェルを使用して歯茎をマッサージすることにより、
歯ぐきの血行が良くなります。
歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを使ってプラークを徹底的に落とします。
専用の柔らかいラバーやブラシ、専用ジェルを使って、隅々までピカピカに磨きます。
歯の再石灰化(初期の虫歯がリン酸カルシウムによって修復されること)を促進するジェルでエナメル質表層の仕上げを行います。
虫歯予防のために、高濃度のフッ素を塗布します。
虫歯、歯周病予防には効果的なブラッシングをすることが第一歩です。モニターに映した口腔内の画像で自分の歯並び、歯の本数、磨き残しをご確認いただき、それぞれに合った歯ブラシを提案、最適な磨き方を指導します。また、進行した歯周病やかぶせ物の多く入った口腔内では歯ブラシだけでは十分なセルフケアは難しく、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどあなたにあった効果的な補助用具もご紹介します。あなたの担当歯科衛生士がメインテナンスのたびに正しい歯磨きが続けられているかを確認し、口腔ケアのお手伝いをします。
フッ素とは海藻などにも含まれる天然成分で、「歯のエナメル質を強化する」「初期の虫歯を再石灰化する」「虫歯菌の働きを弱くする」という効果があります。当院では、ご家庭で使う低濃度のフッ素と、歯科医が使う高濃度のフッ素を併用した、効果的な虫歯予防方法をご提案しています。ご家庭で使うフッ素は、濃度や味など多数取り揃えておりますのでお子様にあったものをお選びいただけます。歯科医院でのフッ素塗布は、虫歯のリスクやブラッシングの状態により、最適な間隔(3〜6ヶ月おき)でおすすめしています。
フッ素の安全性については、あくまでも過量摂取が問題となるので、決められた使用方法を守って頂ければまず問題はありません。しかし、過量に摂取すると害(中毒)を生じます。
長年にわたって過量(適量の2〜10倍)のフッ素を摂取した時に生ずるもので、歯牙フッ素症(斑状歯)と骨フッ素症(骨硬化症)があります。
一度に多量に摂取した時に生ずるもので吐き気、腹部不快感などを示します。
中毒量は体重1kgあたりフッ素約5~10mgと言われておりますので、体重20kgのお子様では約100~200mg。これは当院でお出ししている低濃度フッ素の約100回分を一度に飲み込んだ量に相当します。そのため虫歯予防に利用するフッ化物の使用量は中毒とはほとんど無関係なレベルであるといえます。
フッ素の有効性・安全性はWHOをはじめ、世界各国の医療機関が認めておりますので、当院で正しい使用方法を学びぜひ有効にご活用ください。
高濃度フッ素
低濃度フッ素
自覚症状がなくても時間の経過やライフスタイルの変化とともにお口の状態は変化していきます。定期検診をすることで、お口の健康を長く維持したり、虫歯や歯周病の早期発見、早期治療が可能です。当院では患者様のお口の状態に応じて1ヶ月~6ヶ月ごとの定期検診を実施しております。ご連絡は、お電話、お葉書、メールにて対応しておりますので治療終了時にご希望の方法を受付までお申し付けください。