歯医者さんは、虫歯になったら通うものと思っている方も多いのではないでしょうか。
歯の健康を保つためには、治療前の詳しい検査と、治療後のケアが肝心です。
虫歯や歯周病の原因を正しく理解し、定期検診やクリーニングなどのメインテナンスを定期的に行うことで、
治療後の良好な状態を長くキープし、病気の再発を防ぎます。治療の悪い連鎖をなくすために、
あなたに合った予防歯科をスタートさせましょう。

リスク検査

虫歯や歯周病は細菌による感染症で、そのリスクは人によってさまざまです。リスク検査では虫歯菌数や歯周病菌数、唾液の量や性質、生活環境の中に潜むリスク因子などを詳しく調べ、虫歯、歯周病になるリスクを判断。患者様が無理なく続けられる一人ひとりに合った治療プランや予防プログラムをご提案します。

1.SMT(多項目・短時間唾液検査)

唾液検査ができること

歯とお口のコンディションも人それぞれです。お口の状態を測定するために、当院では唾液検査を実施しています。唾液検査は「少量の水でお口全体を軽くゆすぐだけ」で多くのことがわかる優れた検査です。

1見た目でわからないことが測定できます。

歯や歯ぐきの変化は見た目で確認できます。しかし、本当の「お口の健康状態」は見た目だけではわかりません。唾液検査なら、見えない部分も測定することができます。

2歯と歯ぐきの健康、お口の清潔度がわかります。

唾液の成分には、歯の健康、歯ぐきの健康、お口の清潔度の情報がわかります。これらの情報からあなたの「お口の健康状態」を総合的に知ることができます。

3あなたにぴったりのセルフケアをご提案できます。

唾液検査の結果を総合的に活用することで、あなたにぴったりのセルフケアをご提案できます。毎日のケアをより効果的なものにしましょう。

当院の唾液検査は簡単3ステップです

  1. ステップ1

    10秒間、お口を軽くゆすぐ
  2. ステップ2

    専用機器で6項目を測定
  3. ステップ3

    その場で測定結果をお渡し

お口の健康状態がひと目でわかる結果シート

SMTの結果シートは、歯の健康・歯ぐきの健康・口腔清潔度に関する6項目の測定結果をチャートで表示。口腔内の状況がひと目でわかるため、患者さんの理解もスムーズです。

当院では唾液検査の結果をもとに、普段の食事習慣やオーラルケアに関するアドバイスを行っています。私たちと一緒に「歯とお口の健康」を考えていきましょう。

2.食生活指導

食生活指導とは?

3日間のお食事の内容、間食の内容や頻度を分析して虫歯や歯周病予防に効果的なアドバイスを致します。
また、管理栄養士による栄養指導も行い、全身の健康増進にもお役立ていただけます。

オーダーメイドの虫歯予防

虫歯の原因はプラーク中の細菌ですので、虫歯予防には歯磨きが大切です。しかし、ほとんど歯磨きをしないのに虫歯が一本もない人、一生懸命歯磨きをしているのに虫歯ができてしまう人もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか?この差は「カイスの輪」で説明できます。

これらの3つの要素がそろうことで虫歯ができ、そろっている時間が長ければ長いほど虫歯は進行しやすいと考える事ができます。当院では、できるだけ詳しい問診と診査をする事で、患者様にあった虫歯予防方法を提案できるよう努めております。

虫歯予防の実際

虫歯が多いグループ
歯磨きができていない まずはブラッシングの練習、習慣化をがんばりましょう。
歯磨きができている このような方にブラッシング指導を行なっても、虫歯予防の効果はあがりません。食生活に問題はないか?
リスク検査で唾液の量・質、細菌の量に問題はないか?
歯並びがわるい、詰め物・かぶせ物が合っていない等、清掃を邪魔しているものがないか?
口呼吸、歯ぎしり、食いしばりなど、虫歯のリスクをあげる癖はないか?
全身疾患やお薬の服用はないか?原因を追求することで患者様にあった効果的な予防方法を提案いたします。
(フッ素の利用・PMTC・食生活の改善・食育・シーラント・唾液分泌促進・口腔内環境の改善・被せもの・詰め物の変更、矯正治療)
虫歯が少ないグループ
歯磨きができていない 幸いリスク因子が少なく虫歯ができないのでしょう。しかし安心は禁物。生活習慣の変化、嗜好品の変化、お薬の服用等で、虫歯ができやすくなる事もあります。また、虫歯になりにくい方でも歯周病が進行している方が多くいます。ブラッシングの練習と習慣化で長く健康なお口を維持していきましょう。
歯磨きができている 最も優等生のグループ。私たちの出番は少ないかもしれませんが、お口のトラブルは虫歯だけではありません。歯周病や力によるトラブルも多くあります。定期的な検診で長く健康なお口を維持していきましょう。

ダイアグノデントペンを使って虫歯の進行具合を数値化

削るから管理へ

虫歯の状態を継時的に数値で管理できる「ダイアグノデントペン」で、“見つけてすぐに削る治療”から“進行状況に合わせて適切な管理をする”
予防を行っております。

診査・診断の流れ
やさしいレーザー光での測定

レーザー光の反射を読み取り数値化して進行状況を把握します。
これまで数値でカリエスの進行状況などを診査・診断するシステムは確立されていませんでした。「ダイアグノデント ペン」は歯にそっと沿わせ、歯面に655nmの低出力のレーザー光を照射するだけなので、痛みもなく、小さなお子様や妊婦の方にも安心してご使用いただけます。また測定された数値でカリエスの進行状況をわかりやすく説明できます。

PMTC(プロフェッショナルクリーニング)

時間をかけて付着してしまった歯の汚れや細菌のバイオフィルムは、ブラッシングでは落としきることができず、プロによる専門のクリーニングが有効です。PMTCは専用のツールで歯の表面に付いた汚れを除去し、ツルツルに磨きあげるケアです。虫歯菌や歯周病菌を減らすことで病気のリスクが減り、口臭予防にも効果があります。当院では3カ月~半年に1度のクリーニングをおすすめしています。歯本来のツルツルした感触を覚えていただき、毎日のブラッシングにもぜひ生かしてください。

PMTCプログラムの流れ(専用個室にて担当衛生士が1時間かけて行います)

歯ぐきマッサージ

アロマエッセンス配合ジェルを使用して歯茎をマッサージすることにより、
歯ぐきの血行が良くなります。

術者みがき

歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを使ってプラークを徹底的に落とします。

器械的なクリーニング

専用の柔らかいラバーやブラシ、専用ジェルを使って、隅々までピカピカに磨きます。

トリートメント

歯の再石灰化(初期の虫歯がリン酸カルシウムによって修復されること)を促進するジェルでエナメル質表層の仕上げを行います。

フッ素塗布

虫歯予防のために、高濃度のフッ素を塗布します。

セルフケア・ブラッシング指導

虫歯、歯周病予防には効果的なブラッシングをすることが第一歩です。モニターに映した口腔内の画像で自分の歯並び、歯の本数、磨き残しをご確認いただき、それぞれに合った歯ブラシを提案、最適な磨き方を指導します。また、進行した歯周病やかぶせ物の多く入った口腔内では歯ブラシだけでは十分なセルフケアは難しく、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどあなたにあった効果的な補助用具もご紹介します。あなたの担当歯科衛生士がメインテナンスのたびに正しい歯磨きが続けられているかを確認し、口腔ケアのお手伝いをします。

フッ素塗布

フッ素とは海藻などにも含まれる天然成分で、「歯のエナメル質を強化する」「初期の虫歯を再石灰化する」「虫歯菌の働きを弱くする」という効果があります。当院では、ご家庭で使う低濃度のフッ素と、歯科医が使う高濃度のフッ素を併用した、効果的な虫歯予防方法をご提案しています。ご家庭で使うフッ素は、濃度や味など多数取り揃えておりますのでお子様にあったものをお選びいただけます。歯科医院でのフッ素塗布は、虫歯のリスクやブラッシングの状態により、最適な間隔(3〜6ヶ月おき)でおすすめしています。

安全性は?

フッ素の安全性については、あくまでも過量摂取が問題となるので、決められた使用方法を守って頂ければまず問題はありません。しかし、過量に摂取すると害(中毒)を生じます。

慢性中毒

長年にわたって過量(適量の2〜10倍)のフッ素を摂取した時に生ずるもので、歯牙フッ素症(斑状歯)と骨フッ素症(骨硬化症)があります。

急性中毒

一度に多量に摂取した時に生ずるもので吐き気、腹部不快感などを示します。
中毒量は体重1kgあたりフッ素約5~10mgと言われておりますので、体重20kgのお子様では約100~200mg。これは当院でお出ししている低濃度フッ素の約100回分を一度に飲み込んだ量に相当します。そのため虫歯予防に利用するフッ化物の使用量は中毒とはほとんど無関係なレベルであるといえます。

フッ素の有効性・安全性はWHOをはじめ、世界各国の医療機関が認めておりますので、当院で正しい使用方法を学びぜひ有効にご活用ください。

高濃度フッ素

低濃度フッ素

定期検診

自覚症状がなくても時間の経過やライフスタイルの変化とともにお口の状態は変化していきます。定期検診をすることで、お口の健康を長く維持したり、虫歯や歯周病の早期発見、早期治療が可能です。当院では患者様のお口の状態に応じて1ヶ月~6ヶ月ごとの定期検診を実施しております。ご連絡は、お電話、お葉書、メールにて対応しておりますので治療終了時にご希望の方法を受付までお申し付けください。