歯並びや咬み合わせは、すべての歯が揃っていることでバランスが保たれています。
虫歯や歯周病により歯を失ってしまうとそのバランスがくずれ、欠損した部分に他の歯が倒れ込んできたり、歯並びがくずれてきたり、
残っている歯に過剰な負担がかかったりし、また歯を失うという負のスパイラルが起こります。
そんな事態を防ぐために失った歯の修復治療をおすすめします。歯の状態に合わせて、さまざまな治療法が選択できます。

インプラント治療

外科的手術によって顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上からかぶせ物をする治療です。骨と人工歯根を結合させるため、天然の歯のように違和感なく噛みしめる事ができます。また入れ歯やブリッジとは違い周囲の歯を削ったり、余分な負担をかけることなく失われた歯を回復できるため、患者様のQOLを高める治療方法と考えております。しかしながら、外科手術を伴うため治療前の確実な診査・診断が必要であり、当院ではCT画像シュミレーションソフトを用いて術前診査を行っております。また、当院では、特殊加工を施すことで骨と強固に結合するアストラテック社のインプラントシステムを採用しています。

ブリッジ

両側の歯を土台として利用し、歯のない部分にダミーの歯を作る方法で、ちょうど橋を架ける原理なのでこのような名前が付きました。原則的には失われた歯が、1本もしくは2本程度までは十分な強度を確保できますが、それ以上の連続した歯の欠損部位には適用が難しくなります。

保険給付ブリッジ

前から3番目までの歯には金属(金銀パラジウム合金)の表面にプラスチックを張り付けたレジン前装冠を使います。前から4番目より奥の歯には、金属冠を使います。費用はリーズナブルですがプラスチック部分は透明感が乏しく、経年的な変色や摩耗が生じます。

保険給付外ブリッジ

< メタルボンドブリッジ >

心材に金属(金含有量の高いもの)を使用し、周りをセラミック(陶材)でカバーしており、強度と審美性を兼ね備えた信頼ある治療法です。心材に金属を使用しているため、透明感の再現がやや不十分な点と、歯ぐきとの境目にかげができやすい特徴がありますが、長く行われてきたバランスの良い治療方法です。

< オールセラミックブリッジ >

心材に人工ダイヤモンドといわれるジルコニアを使用し、周りをセラミックでカバーしています。金属を使用しないため歯の透明感を再現しやすく、現時点では最も審美的な治療方法です。

入れ歯

歯科医と技工士が連携し、個々に合った義歯をつくっています。入れ歯は広範囲にわたり歯を失った場合やまわりの健康な歯を削りたくない方に向いている修復方法です。当院の医師は東京医科歯科大学で4年間、義歯の特別研修を受けており、入れ歯に関する高い技術を持っています。他の治療法と比較して、違和感が強かったり、お手入れが大変だったりと欠点もありますが、広範囲に歯がない場合には現在でも大勢の患者様がお選びいただく治療方法です。当院では、保険給付対象のレジン(プラスチック)素材義歯に加え、違和感が少なく十分な強度を持った金属床義歯、バネのない審美性を重視した超弾性樹脂を利用したノンクラスプ義歯、残存歯と強固に一体化させ、しっかりと咀嚼できるミリング義歯等、患者様のご希望に合わせて様々な義歯を制作致します。現在の入れ歯に不都合があり、お悩みの方はぜひご相談ください。

自家歯牙移植

歯を抜かなければいけない、もしくは既に抜いてしまっている場所に対して、親知らずやお口の中で
機能していない歯(埋伏歯、噛み合わせに参加していない歯など)を移動して埋めなおす方法です。
インプラントにはない歯根膜というクッションがあるため、より自然に噛み合わせる事が出来ます。
年齢、全身疾患の有無、生活習慣(喫煙など)、移植のドナーとなる歯がある等の条件を
満たせば当院では積極的に患者様へおすすめしている方法です。条件を満たせば保険でも治療できる場合があります。

移植可能な条件

  • ・ 患者さまの年齢が概ね40歳以下であること
  • ・ 口腔内に適切なドナー歯(主に親知らず)があること
  • ・ 移植歯(ドナー歯)と移植部位(受容側)の大きさが適切であること
  • 移植歯(ドナー歯) 保存不可能な歯

  • 抜歯した部分に移植歯を移動させます